伝達の実験に関する記録
ー目次ー
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ギャラリーチフリグリ(仙台) にて開催された「フタリテン日常一会 〜nor.作品の在る空間と吉村尚子のインスタレーション〜」で実験の進捗を発表した。
この実験は、とある絵画を文章で伝える試みである。実験協力者には、1枚の絵について説明した「実験用テキスト」からどのような絵なのかを予想し、任意の形式で表現してもらうよう依頼した。同じ文章から浮かぶイメージに、どのような共通点や差異が生じるのかを、回答を比較することで確認する。
[ステップ1]
吉村尚子が、印刷物に掲載された絵画の画像から作品を構成する要素を読み取り、説明文を作成。
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[ステップ2]
実験協力者に、依頼文と実験用テキストを送付。
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[ステップ3]
実験協力者は、予想した絵を任意の形式で表現し、返送する。
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実験用テキスト:
縦幅の方が、横幅よりも⻑い。
左上の角の少し下から、右下の中央より少し下あたりまで、白色が広がっている。
その白色は、全体の上端と右端が辺になっている三角形のような形をしている。
三角形のような形の下端を、水を横から見たような四角形が水平にしている。
水平には、装飾が黒色で全体に施された白色の扉が乗っている。
扉の右下には、水平から少しはみ出たような紫色が薄く付いている。
水平を作っている四角形は、全体の下端右側まで伸びている。
四角形は、ピンク色を反射している水のような色をしている。
四角形から左方向に、四角形の色がはみ出している。
はみ出した色の下には、緑色の断片がある。
緑色の断片は、横幅のほぼ中央にあり、全体の下端から少し浮いている。
その断片は、上部左半分が隆起している。
隆起している部分に、数字らしきものがあり、おそらく「235」と書いてある。
「2」の左上と、「5」右上は欠けている。
また、「2」の左横には、他の数字が並んでいるようにも見える。
緑色の断片の左上の一部を、紫色が覆っている。
緑色の断片の左横には、紫色から左方向に伸びるように、上側に丸みがある半円形がある。
半円形は、ピンク色の中に⻩色が入っている。
その下には、紫色と緑色が混ざった空のような色が、半円形に潰されている。
潰された空のような色の左上は、全体の左上に向かって棒状に伸びている。
上半分は、不規則に揺らいでいるように消えかかっている。
潰された空のような色から伸びていている棒状のものの左横には、
深い赤の棒状のものが平行に並んでいる。
ピンク色の中に⻩色が入っている半円形の上には、三角形が乗っている。
その三角形は、半円形より少しだけ小さい。
左側3分の 1 が黒色で、残りが白色で、形状が空のような色で細く縁取られている。
縁取りの色は、形状の内部にも、少し入りこんでいる。
三角形の右側の頂点には、緑色の断片一部を覆っていた紫色が接している。
その紫には、三角形の辺を縁取っている空のような色が乗っている。
その後ろには、黒色のような色をした、歪な四角形のような形の断片がある。
その断片は、「235」と書いてある緑色の断片の後ろまで伸びている。
黒色のような色の断片の後ろには、白色の枠で囲われている四角形が敷かれている。
白色の枠の右端は、中央より少し上まで、水を横から見たような四角に接している。
白色の枠の左上角から右下の角を結んだ際の左側に、夜の街を切り取ったような色がある。
白色の枠の左上角から右下の角を結んだ際の右側は、断層のように要素が重なっている。
白色の枠の右下には、白色の層がある。
白色の層の上には、緑色の層がある。
緑色の層の上には、緑色の層よりも少し薄く、オレンジ色の層がある。
オレンジ色の層の上には、オレンジ色の層と同じくらいの薄さの、白色の層がある。
白色の層の上には、⻘色の層がある。
その⻘色の層には、「0120」と書いてある。
両端の「0」の文字は、欠けている。
右端の「0」から少し離れた場所に、他の「0」が並んでいるように見える。
白色の枠の後ろに重なるように、黒色の四角形がある。
黒色の四角形の右端と上端だけ見える。
白色の枠と黒色の四角を繋ぐように、下側に丸みがある、白色の半円が重なっている。
白色の半円は、⻩色で細く縁どられている。
縁取りの色は、形状の内部にも、少し入りこんでいる。
白色の半円から少し浮いているような位置に、台形が歪んだような形状の断片がある。
台形が歪んだような形状の断片の全体は、薄い赤色と白色の斜めの縞模様になっている。
台形が歪んだような形状は、⻘色で細く縁どられている。
縁取りの色は、形状の内部にも、少し入りこんでいる。
台形の上辺の中央が少し隆起している。
隆起部分を含む、台形の上部の一部は、縞模様ではなくなっている。
隆起部分の右側に、赤色の細い線の集まりがある。
赤色の細い線は、左右が密集している。
赤色の細い線の集まりの上に、2段の階段を横から見たような形状が乗っている。
2段の階段を横から見たような形状は、右側に登っていく向きになっている。
2段の階段を横から見たような形状は、段の部分が、⻘色の二重の線で、なぞられている。
台形が歪んだような形状の断片の、左上と右下に、くすんだ緑色が敷かれている。
台形が歪んだような形状の上に、この形状が上側に反転して潰れたような形が浮いている。
反転して潰れたような形は、ところどころかすれたピンク色の線で縁取られてられている。
反転して潰れたような形は、全体の上端と右端が辺になっている三角形のような形をしている白色の、もう一つの辺の中央のあたりに重なっている。
台形が歪んだような形状の右側の辺の中央から少し浮いた場所に、右側が2つの山を横にしたような形状になっている⻘色がある。
「235」と書いてある緑色の断片の左上から、要素が重なっている断層のような部分の右端を、ピンク色の線が繋いでいる。
ピンク色の線の中央に、⻩色の色面が重なっている。
要素が重なっている断層のような部分の右端から繋がるように、「0120」の文字の上部分を、ピンク色の線が貫いている。
左側3分の 1 が黒色で、残りが白色で、形状が空のような色で細く縁取られている三角形の上から、花火の打ち上げの軌道のような⻩色い線がある。