Loop for my Outroduction

  

2017年制作  パフォーマンス

「さいご」の時が来たら、私は、まだどこかに在るはずの何かを探すために、走り続けることになると思う。その時のための乗り物を用意しておくことにした。]

 

私が「さいご」の時のために用意した乗り物は、自転車をベースにした人力発電機によって光と影の像を生み出す、走行タイプの発光装置だ。ダイナモを使って発電するこの装置は、私の行う「走行」という行為がそのまま発光の有無や強弱に連動する。真っ暗闇の中、わずかでも光を感じた時に安心感を覚えた経験がある人は少なくないと思う。

 

光は、現実も幻想も見せてくれるものだと思う。コンセントを必要せず、どこでも発光可能なこの装置があれば、「さいご」の時に、何もかもが無くなってしまっていたとしても、私はどこでも光を感じることができるし、他の誰かのために光を届けることもできる。一日の「さいご」、人生の「さいご」、地球の「さいご」。

「いま」続いている事柄が一区切りして、次の「はじまり」がくる一歩手前の瞬間である「さいご」。

 

様々な「さいご」の時を思いながら、私はひたすら走り続ける。

 

 

2017年制作  パフォーマンス